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昨年の12月、国際的に評価の高いイギリスの学術誌「Physiological Measurement」に掲載されたある論文は、パセーサを開発した当社にとって、とても意義深いものでした。「血管の老化を評価する技術の開発」と題された総論的テーマをとりあげ、脳心血管疾患の医療に必要な血管老化の評価技術の現状と、解決すべき技術課題を報告しているからです。そこでは、以下の4項目が指摘されました。
(1)血管老化の評価技術は、CVDなど臓器障害の診断、予測に役立つ可能性がある。
(2)様々な評価技術・製品が提案されたが、日常的に評価できる装置が開発できていない。
(3)片腕で測れるオシロメトリック方式は有望な技術である。
(4)血圧や年齢で補正することなく、波形のみで評価する方式が望ましい。
つまり「血管老化を評価する製品が有用だが、日常的に測定することができる機器が開発されていない」ということです。しかし、パセーサの血管指標AVI,APIは、血管老化評価に必要な課題の多くを解決している技術であり、既に、50本を超える臨床研究論文において検証されています。
また、前述の論文からは、日常的に血管老化指標の測定頻度を上げ、ビッグデータやAI解析により精度向上を目指すべき、という今後の展望もうかがえます。その意味で、家庭用パセーサは、医療レベルの血管老化指標の測定環境を日常化し、極めて安価な費用で導入できる健康管理機器といえるでしょう。
当社では、2011年の初代パセーサ上市以来、大学病院や研究機関との共同研究を通じて、エビデンスの蓄積を進めてまいりました。近年では、病院やクリニックに加え、薬局や企業の健康経営などへの導入も進んでいます。医療現場から企業や家庭まで、世界に先駆けて「血管老化」の日常的な評価システムを社会実装し、国内外の医療や健康促進を新たな次元に導くよう貢献してまいります。